動悸がする原因・治し方

動悸とは

動悸とは

心臓の拍動がドキドキと強く感じられる状態を動悸と呼んでいます。心拍が遅くなる徐脈、早くなる頻脈、心拍が大きい、強い、脈が飛ぶ、乱れるといった症状が現れます。また、脈が飛んだり乱れている場合、徐脈や頻脈の場合は不整脈の疑いがあるため注意が必要です。重大な疾患が不整脈の原因となっていることもありますが、健康な方でも起こることがあります。動悸の症状が現れたら、一度検査を受けてみることをおすすめします。

注意が必要な症状

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • ふらつき
  • めまい
  • 息苦しさ
  • 息切れ
  • 呼吸困難
  • 胸痛
  • 冷汗
  • 失神
  • 一時的な意識消失

など

めまいやふらつきを伴う場合は血圧の低下や貧血の疑いがあり、また、息苦しさや呼吸困難の症状がある場合は、心不全などの心疾患の恐れがありますので、注意が必要です。
さらに、吐き気・嘔吐、激しい胸痛、呼吸困難、意識喪失といった症状が起こっている場合は、心筋梗塞の恐れがあるため、至急で病院を受診するようにしてください。

動悸の原因

何かしらの疾患が原因となっていることもありますが、ストレスや過労、睡眠不足などによる自律神経の乱れが原因となることもあります。また、薬の副作用、飲酒、脱水症状が原因となることもあります。動悸が気になって受診される際は、お薬手帳などをご持参いただき、服用中の薬の種類が分かるようにしていただければと思います。

不整脈

安静時の心拍数は、1分間50~90程度が正常値です。一方で、頻脈の方は1分間150程度となることもあり、発作性上室性頻拍という疾患が原因となっている場合があります。また、頻脈だけでなくふらつきや失神といった症状を伴う場合は、直ちに医師による治療が必要な場合があります。なお、症状が頻脈だけでも心臓に負荷がかかっている状態ですので、長時間症状が続く場合や繰り返し発症する場合には、一度当院までご相談ください。
さらに、頻脈を伴う疾患の中でも、頻脈と脈の乱れが起こる発作性心房細動は、心房細動によって血栓が生じやすくなり、脳梗塞や脳虚血発作の発症リスクが高まりますので早めの受診が必要です。また、睡眠時無呼吸症候群や高血圧の方は、心房細動の発症リスクが高くなりますので、注意してください。

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不整脈以外の疾患

動悸は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の症状として現れることがあります。胸痛を伴うことが多く、早急な治療が必要です。また、呼吸器疾患の症状として動悸が起こることもあります。特に、肺の血管が詰まるエコノミークラス症候群は緊急治療が必要な疾患です。呼吸困難などの症状を伴っている場合には救急受診してください。さらに、喫煙による影響で肺胞がダメージを受ける慢性閉塞性肺疾患や貧血、更年期障害、バセドウ病などの甲状腺機能亢進症の症状として動悸が生じることもあります。貧血であればめまいや息切れ、更年期障害であればホットフラッシュ、甲状腺機能亢進症であれば手の震えや体重減少を伴うことが多いですが、正確な診断のためには血液検査が不可欠です。重大な疾患が動悸の原因となっている恐れもあるため、気になる症状があればお早めに当院までご相談ください。

動悸の種類

脈が飛ぶ・乱れる

規則正しい電気信号が心臓へ伝わることで、心臓は拍動しています。しかし、何らかの原因で通常よりも早いリズムで電気信号が心臓へ送られると、次の脈拍までに通常よりも長い間ができてしまい、脈が飛んだように感じることがあります。これは、期外収縮という不整脈によって生じる症状ですが、健康な方でも起こることがあります。多くの場合は、重大な問題とはなりませんが、心臓に必要以上に負荷が生じて治療が必要になることもありますので、脈拍の乱れを感じる場合は、一度当院までご相談ください。

心拍が遅い徐脈

房室ブロックや洞不全症候群によって徐脈が起こっている場合、治療のためにペースメ―カーの装着が必要となることがありますが、人によっては経過観察で済むこともあるため、個人差があります。

心拍が速い頻脈

頻脈を起こしている場合、重大な疾患が潜んでいる恐れがあるため、なるべく早めに医師に相談することをおすすめします。特に、胸痛を伴う場合は狭心症や心筋梗塞の疑いがあり、命に関わる場合もあります。心筋梗塞は、吐き気や嘔吐、呼吸困難、激しい胸痛、意識喪失を伴うこともあるため、注意が必要です。なお、糖尿病を併発している方は痛覚が鈍っていることもあり、胸痛に気づかない恐れもあります。
さらに、貧血や甲状腺疾患、更年期障害などの疾患が頻脈を引き起こしていることもありますので、正確な診断のためには検査が必要です。

動悸の検査

血液検査、心臓超音波検査、心電図やホルター心電図などで動悸の原因を調べます。

動悸を感じた際には下記のことをチェックしましょう

  • 脈拍数
  • 脈拍に規則性はあるか
  • 動悸の持続時間、具体的な症状
  • 何をすると動悸を感じるか、思い当たる原因はあるか
  • 動悸の状態(突如として始まって収まる・だんだん動悸が生じてきて次第に収まるなど)

など

脈の測り方(自己検脈)

脈に違和感がある場合に、以下のように脈を図って確認してみると良いでしょう。

  • ① 手首の親指に近い側の脈を測ります。
  • ② 手首関節の少し下側を触ってみると、拍動を感じる場所があります。
  • ③ ②の場所に反対の手の人差し指・中指・薬指を当てます。そして1分間の脈拍の数を図ります。
  • ④ 何度か試していくうちに直ぐに脈拍を測れるようになってきます。

脈拍は、緊張、リラックス、安静、発熱、入浴、運動など様々な要因で変動します。そこで、安静時のご自身の脈拍を把握しておくことで、違和感がある際に直ぐに脈拍の異常を確認することができます。

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